ウィメンズアクションネットワーク(WAN)には、
さまざまな読み物のページがある。
わたしの好きなページは、映画に関するページ。
「このテクストには、映画のカギとなる展開に触れている箇所があります。
映画をご覧になってから読むことをお勧めします」と書いてあった
「往復書簡『別離』について」を読みたいために、
まずは観に行かなくっちゃ!って、観に行きました『別離』。
そして、映画を観たあとでWANの「シネマを語る」のページ
「往復書簡 『別離』について」を読んで、
もう一回観たい、そう思った。
映画はイランを舞台にして、二つの家族を中心に起こったある事件を映画いている。
簡単に言うとこんなに簡単なんだけど、
実は、実は・・・
その中になんとまあ、いろんな問題がからまっていること。
女性問題、介護の問題、各社社会、貧困、移民問題
それらは決してイスラム社会であるイラン特有の問題ではない。
だからこそ、世界中で称賛され、
アカデミー賞 外国語映画賞受賞,
ゴールデン・グローブ賞 外国語 映画賞受賞、
ベルリン国際映画祭 金熊賞と3冠王に輝いたのだと思う。
最後の結末を見せないところも憎い。
離婚を決めた両親の一人娘に対して、家庭裁判所の人が
どちらと暮らすのか答えを迫り、娘がその苦渋の決断
(一筋の涙が彼女の苦しさを物語る)を答える直前で終わっている。
この家族はこの後どうなったかは観客であるわたしが想像するしかない。
かつて、わたしも娘が小さいころ「別離」を考えたことがある。
そのときわたしは娘に選択をせまった。
「パパとママがわかれたらどっちと一緒に来る?」
「わたしは、どっちにも行かない。ひとりで住む」
それが娘の答えだった。
どちらかを選べば、どちらかを傷つける。
一人娘である娘が両親をき傷つけないように
一生懸命考えた結果だと思うと、胸が痛んだ。
そんなことがあったから、余計にこの家族の行方が気になるなんだなあ。
『別離』は、名演小劇場でまだ公開中です。
いとうしずか